王道を味わう! 銀座アスターの青椒肉絲

青椒肉絲食べ歩き

私と銀座アスター

青椒肉絲の食べ歩きをしようと決めた時、最初の店だけは池袋西武百貨店の銀座アスターと決めていた。

小さい頃から今に至るまで、自分の中で中華といえば西武百貨店の銀座アスターだったからだ。

小学生の時、祖父母と西武百貨店に行くと食事は必ず銀座アスターだった。年に数回あるかないかぐらいだが、7階のおもちゃ屋で最新のトレンドを物色し(誕生日やクリスマス以外でおもちゃを手に入れるのは至難の業だった)、8階の銀座アスターでチャーシュー麺を食べるのが私の心躍る楽しみだった。

部活が始まった中学生以降は行く機会が激減していた。トータルでも2回ぐらいだろうか、最後に銀座アスターで食事してから15年は経っているような気がする。しかし小学生の時の楽しい思い出のおかげで、自分の中では銀座アスターは別格なのである。

平日フルタイムで働いている身だから行くなら週末だろなと思っていた。なにげなく店舗を調べてみると、なんと金曜は23時(ラストオーダー22時)までやっているではないか。デパートは売り場8時、レストラン街9時ぐらいではないのか? しかし西武百貨店の公式サイトでも金曜は23時閉店と書いてあるので、私のイメージが間違っていたのだろう。そうとなれば行くしかないと、5月某日、私は業務後に丸ノ内線でひとり池袋に向かった。

金曜21時の西武百貨店

池袋に着いたのは21時を少し過ぎたところだった。

丸ノ内線のホーム中央の階段を上って改札を出ると、すぐに西武百貨店の地下の入り口が見えるのだが、なんとシャッターが閉まっているではないか! 近くの入り口もシャッターが半分降りていて、まだ残っている客を店員が笑顔で外にいざなっている。あの笑顔を突破して中に突入するのは難しそうだ。途方にくれてスマホを見るが、やはりレストラン街に限り金曜は23時までやっているとのこと。

8階がいくら23時までやっていようと、入り口である1階、地下1階が閉まったら入ることができないではないか。8時までに入店した人のみ23時まで食事できる権利を得られるのか? 

そんなことを考えながら池袋駅をうろうろしているとようやく発見できた。西武池袋線改札近くに、売り場を通らずエレベーターに行ける入り口があったのだ。夜の池袋には何度も来たことあるが、閉店後はそこからレストラン街に行けるということはその日まで知らなかった。

ホスピタリティ

8階のレストラン街が1階や地下1階と違い、デパートの活気があり私をホッとさせてくれた。

いくつかの店舗には入店街の列ができていたが、銀座アスターの忙しい時間はもう終わっているようだ。店外の椅子にかている人はいない。

店内には年配のひとり客、グループと3組しかいない。愛想よい店員が奥の広い席へどうぞと笑顔で言ってくれた。銀座アスターは庶民からすればちょっと高級な部類に入るため、仕事帰りにちょっととはあまりならないようだ。店員もクールビズサラリーマンのひとり客が21時過ぎにやってくるとはよもや思っていなかっただろう。

金曜の21時は狙い目

別の女性店員がメニューを持ってきてくれた。こちらの店員も笑顔が素敵だ。このホスピタリティは大衆チェーン中華ではなかなか体験できないものだ。注文は決まっていたが、ぱらぱらとメニューを一通り見てみる。予定外の餃子とビールと合わせて、私は青椒肉絲を注文した。

これぞ青椒肉絲!!

先に持ってきてもらったビールを飲みながら待っていると、早くも青椒肉絲と餃子がやってきた。

思えば子供の時はチャーシュー麺ばっかりで銀座アスターで青椒肉絲を食べたことはあまりなかった。青椒肉絲の具材は牛肉とピーマンとタケノコであるが、店舗によってはもやしが入っていたり、ニンジンが入っていたりもする。青椒肉絲の日本名は細切り牛肉とピーマンの細切り炒めだから、牛肉とピーマンさえ入っていれば青椒肉絲になるのだろう。料理名からするとタケノコすら必須ではない。

しかし久しぶりに見る銀座アスターの青椒肉絲は、まるでお手本のように牛肉とピーマンとタケノコのみで構成されていた。赤ピーマンすらない。よく見るとすごく小さく切られたいくらか入っていたが、皿に盛られた青椒肉絲はそのまま宣材写真に使えそうなほど美しかった。

ザ・青椒肉絲!

皿がソースで満たされていないのもさすがだ。茶色のソースに浸かった濃い系青椒肉絲のくたった具材をご飯とともにかき込むのはいいが(むしろ普段はそっちがメイン)、この王道青椒肉絲は見た目からして別格だ。

肉が太い!

はやる気持ちを抑えて、2枚だけ写真を撮ったらすぐさま食す。

あっさり系の味は、ピーマン、肉、タケノコそのものの味がちゃんとわかる。無造作に食べてピーマンの味がここまでわかるのはすごい。弾力のある太い肉も噛むほどの肉の味が染み出てくる。それでいて青椒肉絲の味がしっかり感じられる。これが銀座アスターの青椒肉絲かと心の中でうなる。3皿くらい食べたいところだが、それだけで軽く5000円は飛んでしまうから、泣く泣くあきらめる。

一緒に頼んだ餃子は2個で432円。こちらは青椒肉絲のほどのインパクトはないが安定の味だ。私には違いが分からなかったが、酢が黒酢というところに1ポイント。

辣油は餃子とともに運ばれる

ゆっくり食べたつもりだが青椒肉絲、餃子、ビールを15分足らずで食べてしまった。一息ついたタイミングで女性店員が笑顔で「ビールのおかわりなどいかがですか?」と尋ねてきた。その店員の雰囲気のよさにビールと春巻きを追加しようかと本気で悩んだが、一度我慢した炒飯までいぶり返しそうなのでここは断る。

期待を裏切らなかった銀座アスター

10分ほど余韻に浸って会計に向かう。レジで伝票替わりになるテーブル番号が書かれたプレート(?)を忘れたことに気づいたが、レジの人は微笑んで大丈夫ですよと言ってくれた。

青椒肉絲(2484円)、餃子(432円)、ピルスナービール(756円)で3672円。自分の財力では頻繁に食べに来るのはかなり難しいが、次は炒飯も入れたラインナップを食べにこよう。

最後までいい気分で店を出てわかったことは、銀座アスターは昔と変わらぬいい時間を提供してくるということだった。昼食、夕食の忙しい時間はどうかと気になるところもあるが、銀座アスターは大丈夫というという自信を持って、丸ノ内線の改札に向かった。

ちなみにあとでわかったことだが、池袋の銀座アスターは正確には「銀座アスター ベルシーヌ池袋」という。“日常の上質感をよりシンプルに味わう”というコンセプトの銀座や新宿にある銀座アスターとは少し違うようだ。次は新宿の銀座アスターで日常の上質感を“複雑に”味わうしかない(笑)

 

 

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